三鷹市で「そろそろうちの子にサッカーを」と考え始めた保護者の方から、よくこんな相談をいただきます。

「三鷹市の少年サッカー、何を選べばいいか分からない」
「サッカースクールとサッカークラブって、何が違うんですか?」
「うちの子には、どっちが合ってるでしょうか?」

私は三鷹市中原のエルソールフットボールクラブで、20年以上、小学生のサッカー指導に向き合ってきました。エルソール自体は「競技クラブ」ですが、三鷹市内で活動する多くのスクール・クラブ・学校の指導者・保護者と関わってきた立場で、できるだけフェアに三鷹市の少年サッカー環境を整理します。

「まずは全体像を知りたい」という方に、この記事が役に立てば嬉しいです。

三鷹市の少年サッカー環境は、大きく2つに分かれる

三鷹市内で小学生がサッカーに関われる場は、実は大きく2種類に分かれます。この違いを理解しないまま「近所にあるから」で選ぶと、後から「思っていたのと違う」となりがちです。

  1. サッカースクール(技術指導型の習い事)
  2. サッカー競技クラブ(公式戦に出場する少年サッカーチーム)

それぞれ、性格が大きく違います。

なお、三鷹市の公立小学校には、中学校のような「部活動」としてのサッカー部はありません。学童保育でも、対外試合をするようなサッカーチーム活動は基本的に行われていません。したがって、小学生年代でサッカーを本格的にやろうとすると、実質的にこの①スクールか、②競技クラブの二択になります。

① サッカースクール(技術指導型の習い事)

三鷹市内には、大手フランチャイズ系のサッカースクールや、地域の民間スクールがいくつかあります。

特徴

  • 月謝制の「習い事」としての立ち位置
  • 週1〜2回、45〜90分程度の技術指導
  • 基本的に公式戦には出場しない(イベント的な試合はあり)
  • 「東京都少年サッカー連盟」などの育成組織への選手登録は基本的にない
  • 親の当番・お手伝いは基本ゼロ
  • 月謝は5,000〜10,000円/月が相場

向いている家庭

  • まずは楽しく体を動かせればいい
  • 他の習い事もたくさんあり、サッカーは「一つの選択肢」
  • 試合や勝ち負けにはあまりこだわらない
  • 親の関わりを最小限にしたい(送迎のみ)

② サッカー競技クラブ(公式戦に出場する少年サッカーチーム)

三鷹市には、東京都少年サッカー連盟に登録し、公式戦に出場する少年サッカークラブがいくつか存在します。エルソールフットボールクラブも、この「競技クラブ」に該当します。

特徴

  • 選手として登録し、リーグ戦・カップ戦・公式戦に出場する
  • 練習は土日祝が中心(週2〜3回程度)
  • 技術だけでなく、戦術・チームプレー・試合経験を積む
  • ジュニアユース(中学年代)への進学ルートを見据えた育成
  • 親の関わりはクラブによってさまざま(当番あり/なし)
  • 月謝は無料〜3,000円/月のボランティア型から、10,000円以上のクラブまで幅広い

向いている家庭

  • 子どもが「試合をやりたい」と言っている
  • チームでの経験や、勝ち負けを通じた学びを大事にしたい
  • 将来的にジュニアユース・中学部活動へつなげる可能性を残したい
  • 技術習得だけでなく、人間的な成長・チームワークを重視する

2つを一覧で比較する

①サッカースクール ②サッカー競技クラブ
目的 技術習得・習い事 選手育成・試合出場
公式戦 基本なし あり(連盟登録)
選手登録 なし あり
練習頻度 週1〜2回 週2〜3回
月謝目安 5,000〜10,000円 無料〜10,000円超
チームワーク 限定的 中核テーマ
進路支援 基本なし あり

「三鷹市 少年サッカー おすすめ」を検索する保護者へ

Google検索で「三鷹市 少年サッカー おすすめ」と入力すると、上位にサッカースクールが多く出てきます。これはSEO的にスクール系サイトが強いだけで、「三鷹市でおすすめの少年サッカー」がスクールだけ、ということではありません

大切なのは、ご家庭が何を求めているかです。

「うちの子は、試合で勝ちたいわけじゃない。楽しく続けられれば十分」
→ サッカースクール、または学校活動が合っています。

「うちの子は、チームで戦って、真剣に上手くなりたいと言っている」
→ サッカー競技クラブを検討する価値があります。

どちらが優れているという話ではありません。子どもの気持ちと、家庭の価値観に合っているかが全てです。

迷ったときは「体験」で確かめる

三鷹市内のスクール・クラブの多くは、無料体験を受け付けています。複数を実際に体験してみるのが、後悔しない選び方の第一歩です。

体験で見るべきポイントは3つ。

  1. 子どもが「楽しそう」に見えるか:どれだけ理念が立派でも、子どもが楽しそうでなければ続きません。
  2. コーチの子どもへの声かけ:怒鳴っていないか、一人ひとりに目が届いているか。
  3. 他の保護者・子どもの雰囲気:長く関わる場です。「馴染めそうか」の直感は大事にしてください。

【重要】競技クラブの中にも「育成重視」と「結果重視」がある

ここで、もうひとつ、多くの保護者が気づかないまま入団してしまう「見えない分岐」をお伝えします。

「サッカー競技クラブ」と一括りにしても、その中には大きく2つの方針があります。

① 結果重視のクラブ

  • 試合の勝敗を最優先する
  • レギュラーと補欠が明確に分かれる(上手い子中心の起用)
  • 勝つための編成・戦術・選手起用を組む
  • 「大会で優勝すること」「強豪の看板」を掲げる
  • その結果、伸び悩む子・出番の少ない子はサッカーから離れやすい

② 育成重視のクラブ

  • 目先の勝敗より、一人ひとりの「今よりもその先」の成長を最優先する
  • 全員に試合出場の機会を確保する
  • 今日の結果より、この子が5年後・10年後にどんな選手・人になっているかを見る
  • 強い相手にも、あえて格上に挑ませて経験を積ませる
  • 試合の結果は、育成の「結果」として自然についてくるものと考える

サッカー育成には「結果重視」と「育成重視」がある

サッカーの育成には、大きく分けて「結果重視」と「育成重視」の2つの考え方があります。どちらも真剣にサッカーに向き合う方針であり、どちらが正しい、間違っているという話ではありません。

「小学生年代から本気で勝負したい」「大会で勝つ経験を積ませたい」というご家庭には、結果重視のクラブが合っているかもしれません。それも、ひとつの立派な選択です。

ただ、20年指導してきた私自身は、明確に「育成重視」を選んできました。ここは、私にとって一番大事なことなので、なぜそう考えるかを、少し踏み込んで書きます。

結果重視のアプローチについて

結果重視のアプローチは、試合の勝利を最優先します。試合中に細かい指示を出し、子どもたちに最適な動きを提示することで、勝利をつかむ。コーチはその試合をどうやれば勝ちやすいかを分かっていますから、その通りに動いてもらうのが、勝利への近道です。

これは、勝つことを目的とするなら、合理的な方法です。

ただ、私自身は、この方法を選んでいません。なぜなら、私が考えるサッカーの本質と、少しずれるからです。

私が思う、サッカーというスポーツの本質

私は、サッカーというスポーツは、自由であることが魅力だと思っています。

自分で判断する。上手くいっても、失敗しても、自分の問題。自分が決めたことだから。それが、成長をうむのです。

子どもが自分で決めた結果を、自分で引き受ける。
上手くいけば嬉しい。失敗すれば悔しい。
その「自分ごと」の感情の中でしか、本当のサッカーは育たない。
──これが、私の20年の指導で辿り着いた実感です。

この「自分で判断する機会」を、大人が奪わないようにしたい。私はそう考えています。

試合は誰のものか──コーチの役割

試合は、子どもたちが自分の意思で楽しむ場です。コーチのものではありません。

ではコーチは何をする人か。コーチは、その試合で子どもが活躍できるように、普段の練習でレベルアップを手伝う存在です。

ここを、私自身は履き違えないようにしています。

試合の中で、コーチが自分の意思を子どもに乗り移らせるように指示を出し続けることは、私はしないと決めています。試合を、子どものものにしておきたいからです。

だから、エルソールでは試合中の指示を極力しません。子どもたちが自分の頭で観て、考えて、決めて、実行する姿を、私たちはピッチの外から観察し、次の練習に活かします。

全ては、いい選手・いい大人になるため

結局のところ、私たちがやっていることは全て、子どもが「いい選手」に、そして「いい大人」になるためです。そして、彼らがサッカーをもっと楽しめるようにするためにやっています。

小学生の大会で優勝することは、私たちの目的ではありません。エルソールとしては、目の前の勝利のために、子どもの「自分で考える力」を犠牲にする選択はしない、という方針でやっています。

その結果、ジュニアユースで活躍する子が多い

そして──これは私たちが実感している、大事な事実です。

エルソールで6年間過ごした子は、中学のジュニアユースに進んでから活躍できる子が多いのです。累計30名以上の卒団生が、川崎フロンターレジュニアユース、三菱養和 調布ジュニアユース、横河武蔵野ジュニアユースなどへ進み、そこで自分の力を伸ばしています。

なぜか。どのチームに行っても、サッカーの本質を自分で分かっている子になっているからです。

エルソールの6年間で、子どもたちは自分で観て・考えて・決めて・実行する経験を積み重ねてきています。だから、新しい環境──新しいコーチ、新しいチームメイト、新しい戦術──に出会っても、自分の頭でプレーを組み立て直すことができる。中学に上がって、環境が変わる時こそ、この経験が効いてくるのです。

私たちは、「小学生の今日の勝利」を追いかけていません。追いかけているのは、「この子が、サッカーで人生を豊かにできる大人になること」。ただそれだけです。

「競技クラブ = 厳しい・スパルタ」ではありません──ただし「甘いクラブ」でもありません

ここでもうひとつ、大事な誤解を解いておきたいと思います。

「サッカー競技クラブ」と聞くと、「厳しい」「スパルタ」「怒鳴る」「勝利至上主義」を連想する保護者の方が少なくありません。「うちの子には、そこまでの厳しさは求めていない」と、選択肢から外してしまう方も多いです。

けれど、それはひと昔前の競技クラブのイメージです。少なくとも、エルソールフットボールクラブは違います。

プレー面:叱らない・怒鳴らない

サッカーの技術やプレーに関しては、私たちは子どもを叱ったり怒鳴ったりしません

・試合や練習でのミスに対して、コーチが怒鳴ることはない
・挑戦した結果のミスは、成長の一部として肯定する
・全員出場(上手い子だけ試合に出さない)
・試合中は基本的に指示しない(子どもたち自身が考える)
・一人ひとりの特性を尊重する
・「サッカーを好きでいる」状態を最優先で守る

これが、私たちの指導の基本です。

ただし、「甘い・ゆるいクラブ」でもありません

ここが、多くの方に伝わりにくい部分です。

私は「コーチは教育者である」と考えています。だから、人としての姿勢に関しては、教育者として真剣に向き合います

例えば、こういう場面です。

試合でミスをするのはOK。誰にでも起こります。
──でも、無気力でプレーするのはNGです。

上手くいかない日があるのはOK。誰にでもあります。
──でも、仲間を尊重しない態度はNGです。

失敗して落ち込むのはOK。当然です。
──でも、上手くいかない理由を人や環境のせいにするのはNGです。

プレーの結果は叱らないが、取り組む姿勢は教育する。これが、私たちの指導のもうひとつの軸です。

「サッカーを通じて『人として、いい人間』に育てる」──これが、20年間ずっと変わらないクラブの目的です。だからこそ、「サッカーの上手下手」ではなく「人としてどう向き合うか」の部分では、コーチは教育者として真剣に伝えていきます。

言い換えると、エルソールFCは、「叱らないから甘い」のでも、「厳しいからスパルタ」でもないクラブです。この両者の中間ではなく、異なる次元にあるクラブだと思ってください。

エルソールについて(参考として)

ちなみに、エルソールフットボールクラブは②の「競技クラブ」に該当します。三鷹市中原を拠点に、東京都少年サッカー連盟 第9ブロックに登録し、公式戦に出場しています。累計30名以上の卒団生がジュニアユース(川崎フロンターレJY・三菱養和 調布JY・横河武蔵野JY等)へ進学しました。

月謝は1,000円(ボランティア運営のため)。ただし、月謝が安いことは「特徴」ではなく、私たちが大事にしているのはサッカー技術・サッカー頭脳・チームワーク・人間教育の4軸で、選手として、そして人として育てる指導です。

もし「三鷹市で本格的にサッカーをやってみたい。プレーで怒鳴られたくはない。ただし、人として成長する厳しさはあってほしい」というお子さん・ご家庭がいらっしゃれば、体験にいらしてください。スクール型を検討中の方には、無理にお勧めしません。それぞれのご家庭に合った選択があるはずです。

最後に

この記事は「エルソールに入ってください」という記事ではありません。

三鷹市には、真剣にサッカーに関わる指導者や、子どもたちを大事にしているスクール・クラブが、私の知る限り複数あります。大切なのは、ご家庭が「これだ」と思える場所を、納得して選ぶことです。

この記事が、その判断のお役に立てれば、これほど嬉しいことはありません。