「少年サッカー 移籍」で検索すると、こういう見出しが並びます。
移籍で後悔しないために
失敗するケースと親の判断基準
ベストなタイミングとは
読めば読むほど、動けなくなる。そういう構造になっています。
私は20年、移籍してきた子を受け入れる側にいました。その立場から、正直なところを書きます。世間で言われていることと、だいぶ違うかもしれません。
移籍してきて、ダメだった子はいません
まず、これです。
うちに移籍してきて、ダメだったという子は、過去に一人もいません。
強いて挙げるなら、入ってきた時点で実力的に厳しくて、試合に絡めるようになるまで時間がかかった子はいます。それは事実です。
でもそれは「移籍が失敗した」のとは違います。単に、伸びるのに時間がかかっただけです。そして時間はかかっても、みんな伸びました。4年生でうちに来た子の話も、そういう一人です。入団時は正直かなり厳しかったのに、6年生の最後の試合でゴールを決めました。
「移籍したら失敗するかもしれない」という不安を、20年の実感として、私は持っていません。
それと、こういう不安を持たれる方もいます。「うちの子は運動神経がいいほうじゃないので」。
それも、気にしなくていいと思います。
うちには、学校で一番足が速いようなスター的な子は、むしろ少ないんです。セレクションをしていないので、素質で選んでいません。それでも6年生くらいになると、サッカーが上手くなっている子が多い。
今の時点で上手いかどうかは、移籍をためらう理由にはならないと思います。
タイミングは、気にしなくていいと思っています
ここも、世間で言われていることと違います。
よく「学年の変わり目がいい」「公式戦の登録時期を確認してから」「大会中は避けるべき」と書かれています。
私は、特に「この時期がいい」というものはないと思っています。
理由は単純です。
小学生が、ゴールではないからです。
サッカー人生は中学、高校、その先へと続きます。小学生の数ヶ月は、その長い時間の一部でしかない。
それより、タイミングを計っている間に半年、一年と過ぎていくことのほうが、私はもったいないと思います。その半年は、戻ってきません。
子どもが「行きたくない」と言っている。試合に出られないまま何ヶ月も経っている。そういう状態なら、時期を待つ理由はないはずです。
もちろん、事務的な手続きは必要です。ただ、それは動くと決めてから調べれば済む話で、判断の前に考えることではありません。
ひとつだけ言うなら、サッカーを始めること自体は、早いほうがいいと思っています。でもそれは移籍の話ではありません。
相談を受けたとき、必ず伝えていること
移籍の相談をいただくことがあります。そのとき私が必ずお伝えしているのは、「うちに来てください」ではありません。
こう言っています。
お子さんが、いちばん楽しめる環境はどこか。
それを考えてあげてください。
チームによって、考え方はまったく違います。勝つことを第一に置くチーム、楽しむことを大事にするチーム、技術を徹底的に仕込むチーム。どれが正しいというものではありません。
無理に合わせる必要はないんです。子どもに環境を合わせればいい。靴に足を合わせる必要はありません。
いちばん大切なのは、子どもがサッカーを楽しんで、続けたいと思える環境を与えてあげることです。それに尽きます。
その環境が、うちでないなら、それでいい。本当にそう思っています。
だから、いくつか見てください
移籍を考えている方に私がお願いしたいのは、一箇所だけ見て決めないでほしいということです。
三鷹にはいくつもクラブがあります。それぞれに良さがあって、それぞれに合う家庭があります。見学は何箇所してもいい。比べたほうがいい。
そのうえで「ここがいい」と思えるところを選ぶ。子どもの顔を見て決める。それがいちばん失敗しない方法だと思います。
見学しただけで、何かが決まってしまうことはありません。今のチームに言う必要もない。前に書いたコラムでも触れましたが、見学は移籍ではありません。情報を集めているだけです。
うちのことも、書いておきます
比べていただくために、エルソールのことも正直に書いておきます。
- セレクションはありません。学年の途中でも、年度の途中でも受け入れています
- 在籍するすべての選手に、公式戦の出場機会をつくります。ただし出場時間は平等ではありません。本人の取り組み次第です
- プレーのミスで怒鳴りません。そういう練習の設計をしているからです
- 活動は土日祝と水曜の夕方です。平日夜の送り迎えは基本的にありません
- 保護者の当番はありません
これを読んで「合わないな」と思われたら、それは正しい判断です。合わないご家庭についても書いていますので、よければそちらも。
最後に
移籍を考えている保護者の方は、たいてい自分を責めています。もっと早く気づいてやればよかった、チーム選びを間違えた、と。
でも、入ってみないと分からないことは、たくさんあります。合わなかったというだけで、誰が悪いわけでもありません。
大事なのは、これからどうするかです。お子さんがサッカーを好きでいられる場所を、一緒に探してあげてください。
その候補のひとつとして、うちを見に来ていただけるなら、いつでも歓迎します。